「学ぶ」ということの意味 (佐伯 胖)読了

協同的な学習、学習集団づくりを考える上でとても参考になる本だった。

「学ぶ」ということの意味 (子どもと教育)

「学ぶ」ということの意味 (子どもと教育)

本書の存在は前から知っていたのに、なぜもっと早くに読まなかったのだろうかと悔やまれる。
本書を読み進めるにつれ、過去の自分の考えや行為を思い起こし、それが情けなく、著者の言葉がズキリと胸を刺す。
読んでいて苦しい本でもあった。
しかし、後悔と懺悔の念を感じるからこそ、この本の意味がより理解できる自分であるのかもしれない。


「学びのドーナツ論」は今後も折に触れて、読み、考えを深めていくことになると思う。
それに伴い,ワロンの「自我発達論」ももう少し詳しく学ぶことになるだろう。

「学習と学び」「社会的自我」「文化的学習」「文化的実践」「実践の共同体」「関係論的視点」「学びのドーナツ論におけるyou世界とthey世界」「appreciate=理解・感謝・賞味」などキーワードが数多い。


読んでいて辛い本であったが、それと同時に、著者には勇気づけられもした。

「学ぶということは、予想の次元ではなく、むしろ希望の次元に生きることではないだろうか。『こういうことが、いついつまでにできるようになる』ことを目的とするのではなく、いつどうなるか、何が起こるかの予想を超えて、ともかくよくなることへの信頼と希望の中で、一瞬一瞬を大切にして、今を生きるということのように思える」p9-10
「学びとは、終ることのない自分探しの旅なのである」p11



学びとは、新たな自分への希望であり、自分探しの旅である。

学び続けることで、自分は新しい自分になれるのではないか。そう信じて前に進んでいこうと思う。