教育研究発表

教育研究発表だった。
ずっとこの場に立たないようにしてきたけど、いよいよ避けて通れなくなったのが2年前。
観念して発表することにした。

最初は「作文技術」を発表しようとしたが、没。1年半前。
それから、片桐さんが開発した「共同編集作文」を基に研究をすることを決めたのが1年前。
それから2実践をした。しかし、研究の切り口が上手くない。
なかなか上手く表現できない。
またもや、大幅修正を余儀なくされた。
水落先生にご協力を頂いて、ビデオとICレコーダーを貸して頂く。半年前。
それから1実践。
膨大なデータをどう解釈して、どう選択し、そしてどう表現するか。
苦しい日々だった。
ようやく完成したと思い、再度指導者に提出するが、またもや大幅な修正が必要となる。4ヶ月前。

夏休みは「書くこと」指導に関する原稿執筆の〆切が近づき、お盆も妻の実家でパソコンに向かう毎日だった。
「お盆休みまで・・・」と妻や両親に半分あきれられる日々。
研究には手が回らなくなった。ようやく、手をかけ始められたのが、9月が見え始めた頃。
夏休み中に、指導者に再提出するつもりだったのだけれども。
それから猛ピッチでデータの整理を進め、修正要項を提出。

電話を頂き、「前よりよくなった」とのこと。
ほっとするが、その後の面談でまたもや大きな問題。
私は、満足感などの気持ちを追っていたのだが、国語科の発表だから国語の力についてどうなのかが必要だと言うことだった。
子どもたちがいやいや書く作文授業からの脱却を求めていた私にとって、子どもたちが力がつける云々に関しては今回の研究で発表したい内容ではなかった。もちろん、子どもたちは力はつけているのだが、そこを語りたいという気持ちではなかった。

悶々とする毎日だった。
水落先生にアドバイスを頂いた。
水落先生のおかげで、変なこだわりを捨てさることができた。
ここで方向転換することを決断。
発表要項がほぼ出来上がる。1ヶ月前。

それからプレゼンテーションファイルづくり。
発表を地区のみなさんに見て頂く。
「情報量が多い」「理解する時間がない」とのこと。
できるだけ筋道立てて、内容を絞ってと思って作っただけに、その通りのことを言われてショック。
そして、プレゼンファイル作りのことで、あ〜だこ〜だ言われて、悔しかった。
もっともっとすっきりと筋道だてて、シンプルにしなくてはいけないのか・・・・
発表の後、Y先生を引き止めて相談。お忙しい中お付き合い頂いた。ありがたかった。
国語を専門とする方々がどのように見るのかを教えてくださった。

ここでも肚を括ることにした。
(誤解があるかもしれないが・・・)発表は、ある程度は「美しい物語」にしていかないといけないのだ、
国語を専門とする方々に「美しい物語」を見せようと。

もうこのころには、肩がカチンコチン。首が痛い。イライラする。

1週間前、要項・資料が完成。
火曜日印刷完了。
水曜日12年研研究授業で出張。何もできず。
木曜日製本。わたしよりもずっとお忙しい同僚のI先生が、進んでホッチキス止めを手伝ってくださった。それも火曜日からずっと「資料作るときには声をかけてね」と言ってくださっていた。
金曜日、そして当日朝ぎりぎりまで修正を加え、更に、昼にまたスライドを一枚直し本当にぎりぎりまでかけてプレゼンテーションファイルを完成させた。

午前中の発表では、同僚のNさんが活躍。
他の方が座って発表する中、Nさんは立って会場のみなさんと目を合わせながら発表。
伝わり方が全然違う。

Nさんの発表を見て、急遽軌道修正。
Macでの発表から、iPadで発表することにした。iPadにすれば、立って話すことができるからだ。
iTunesでファイルを同期した。
プロジェクターとの接続が上手くいかず焦ったが、なんとか接続できた。
iPadで繋いだ方が、音声がよく聞こえる。
これは、HDMI接続のおかげなのか、プロジェクターのスピーカーのおかげなのかどちらか分からないが思ってもいなかったことで、幸運なことだった。

発表開始。
前の二人の素晴らしい発表。
その後に続く、意見と、指導。
それを聞きながら、発表内容に情報を付け加えていくことを決める。

いよいよ自分の番。
iPadを手に立って発表。
緊張のあまり何度もかむ。前の二つの発表をうけ、ライブで情報を付け加える。
13分半で終る予定の発表を、15分ちょいで終了。
その後、質問と指導。

結構ぶっとんだ方の内容だからある程度の批判は覚悟の上であったが、そのような内容はいっさいなし。
質問には真摯に、そして勢いよく、声大きく答え、ビビっていることを隠しながら、さも自信ありげに。

指導者の金子先生からは、身に余る言葉を頂くとともに、今後の考えるべきことを教えて頂いた。
発表の後、何人かの先生に暖かい声をかけていただいた。
内容のこと、プレゼンの仕方のこと、そして学級のこと、どれもよく言って頂いた。
同僚のItさんは、プレ発表も本番の発表も参加してくださった。本当は他の部会に行きたかっただろうに。感謝。

2年間重くのしかかって来た物が、瞬く間に軽くなった。
「肩の荷が下りる」とはこういうことなんだなあと日本語の身体表現の巧みさに驚く。

思えば、この発表をするために多くの方々のお世話になりました。
ことあるごとに相談にのってくださった水落先生。
ご指導いただいたS先生、全く関係ないのに要項検討に付き合ってくださったSt先生。
職場の上司、同僚のみなさん。
地区の先輩のY先生。

そして何よりも私に週末に仕事をする時間を作ってくれた妻、一緒に遊んであげなくても我慢してくれた二人の息子、先行研究を残してくださった片桐さんには感謝感謝。

今回発表をすることで得た収穫は次の3つ。
膨大な時間をかけ、自分の実践をまとめるということを経験できたこと。これで次はもっと楽にできるだろう。
見せるプレゼンづくりの技術があがったこと。
素晴らしい方々との新たな繋がりができたこと。
これらは、大きな収穫だった。

しかし!失った物も多々ある。
よって、もうやらないよ〜。割に合わない(笑)。