絵画指導と作文

文化祭で絵を見て回ると、同じような構図であったり、塗り方であったりするクラスを見る。
そのようなクラスの絵画はレベルが高い。
私の受け持つクラスよりも、上手い・・・
しかし、見ていてなんだか気持ちの悪い、嫌な感じがしてくる。

この違和感は何だろう・・・
おそらく、統制的な教師の押しつけがあるからだろうと思う。
同じ構図ならば、「このように描くんですよ〜」という誘導・指導があったのだろうし、
同じ塗り方ならば、「このように塗るのですよ〜」という誘導・指導があったのだろう。

子どもは本当はああいう構図で描きたかったのだろうか・・・
違う角度で、違う大きさで、違う塗り方で、描きたかった子もいたはずである。
また、教師の思いにあった絵を描かせるための指示により、考えることを停止してしまっていた子どもがいたのではないだろうか。

もちろん、指導は大切。
「子どもの思いを大切にして」とか、「子どもの自由な表現を」とか言ってほとんど指導せず、勝手に描かせるというの問題である。一見、耳障りはよいが、それはただの放置にすぎない。そういう指導?方針では、下手な子はずっと下手なままである。技術のない子は、自分の思いを絵という方法で表現することができない。思いがあってもそれをどう描いていいのか分からずただ適当な絵を描いてしまう。
だから、様々な技法を教えることは必要なのである。

私の理想は、次のような図工指導だ。
春から徐々に技術を教えていく。
その基盤があった上で文化祭の作品づくりにとりかかる。
文化祭の作品は、自分の描きたい構図で描き、塗りたい方法で塗る。
子どもたちは学んだ技術の中から自分が使いたいものを使って表現する。

これって、作文と同じだなあと思う。
作文では、ようやくこのような指導ができるようになってきた。
でも、絵画ではまったくといいほどできていない・・・
まずは、小学校で教えておくべき、絵画技術とは何かを学ぶことからだなあ・・・。